tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

転んでもただでは起きるな

2020年02月26日 21時27分14秒 | 経営
転んでもただでは起きるな
 コロナウィルスの脅威がどこまで広がるのか解らない状態の中で、こんなことを書いては不謹慎だとの批判があるかもしれません。

現状では、政府も、企業などの組織も、そして個人も出来る限りの感染ストップに知恵を絞り、努力をしながら、早期収束の努力をすることが最も大事です。

そしてコロナウィルスの脅威に打ち勝った時、その中で経験し、発見した重要なノーハウが、感染症対策以外でも、社会活動の多くの場で、色々と役立つことがあるように思われます。「転んでもただでは起きない」日本人の勤勉さを発揮する場があるはずです。

 感染症対策としては、個人としては、手洗いうがいとか、風邪を人にうつさないようにするのがエチケット(昔は風邪は他人に移せば治るなどといったものです)とか、いろいろあるかと思います。
 もちろんウィルスの突然変異のスピードが早くなっているので、政府の対応も後手後手に回っているようですが、その中から学ぶことも多いと思います。

 企業にとっては、この際、学ぶべきことの一つに「テレワークの活用」の促進、そのための機器の開発、特に、それを使いこなすノーハウ習得・熟練があるように思います。
 今日のニュースでも、資生堂、ユニチャームなどで、大規模なテレワークの実施に踏み切ったとの報道がありましたが、その経験は宝の山になるかもしれません。

 勿論、製造工程など、機械に人がつかなければ不可能なものはありますが、それは省人化、無人化の対象分野として、従来は、人間同士が直接に顔を突き合わせて「会議・打合せ」することこそが大事と思われていたオフィスワークが、やってみれば、テレワークで可能ということになるケースも多いのではないでしょうか。

スマホやパソコンの進歩、特にソフトウェア(アプリ)の進歩によって、特別に高価な装置などを導入しなくても、テレワークの可能な仕事は随分増えてきたのではないでしょうか。

 例えば、企画とか設計とシステム開発、プグラミングなどと言った仕事は、必ずしも会社の机でなければできないという事はないようです(守秘問題はありますが)。従来の風呂敷残業などで、それは証明済みではないでしょうか。

 こうした仕事のやり方は、いわゆる過労死などの問題の際、実は長時間残業だけでなく、上司によるパワハラやいじめ(非生産的な人間関係)に類する問題がその背後にあるという実態からも明らかでしょう。
 
 「濃密すぎる」職場の人間関係は、日本的人事管理、時にはOJTという名目である程度認められてきたのかもしれませんが、これは、日本企業における「ホワイトカラーの生産性の低さ」の一因と指摘する方もおられます。

 ネットを介する仕事上のやり取りは、ある程度の人間関係の希薄化を齎すかも知れませんが、作業の中の無駄な流れを削ぎ落し、本当に必要な事だけのコミュニケーションを明確にして、所謂「スマートワーク」の実現に貢献することも十分考えられる(可能にもなる)ように思います。

 よく言われる通勤時間の節約も含めて、テレワークの必要に迫られた導入が、日本のホワイトカラーの生産性向上の1つの契機になるとすれば、「転んでもただでは起きなかった」と言えそうな気もするのですがどうでしょうか。

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